蛇王の碑
浮刻と象形文字が見事に調和したこの碑は、ルーブル美術館の中でもひときわ格調高く展示され、初期王朝時代ならではの優れた美しさを放っている。簡素な古代文明の遺産でありながら、後世までも決して滅びることのないその威厳。長方形の枠の中心に浮かび上がった鋭い眼差しの隼と、「蛇王」の名の由縁でもあり鎌首を持ち上げて鱗を逆立てるコブラは、王の忠実な下僕として5千年もの長い間、逞しい生命力を誇示し、民衆を威圧し続けてきた。静的な構図のなかに描かれた蛇王の権力を象徴する造形美が、見る者の心に緊張感を与える。
作品データ
アビュドス出土 | 紀元前3000年頃 |
原型・石灰石 | 復刻・ブロンズ |
高さ141cm | パリ・ルーブル美術館原型所蔵 |
展示作品一覧
こちらで紹介している作品はルーブル彫刻美術館に展示されている作品の一部です。他にもたくさんの展示品がありますのでぜひ当館にてご覧下さい。