ルーヴル美術館展(肖像芸術ー人は人をどう表現していきたか)
本年5月30日より東京・国立新美術館にて「ルーヴル美術館展 肖像芸術ー人は人をどう表現していきたか」が開催されます。
きわめて貴重な古代から19世紀までの肖像傑作が約110点、パリ・ルーヴル美術館より来日します。今回は歴史に名を残した権力者、その時代の時の人など、人をどう表してきたかに焦点をあてて公開されます。
特に注目すべきはナポレオンのデスマスク(フランチェスコ・アントンマルキ)です。
歴史上最も知名度の高い権力者と言っても過言ではないナポレオン・ボナパルト、今回公開されるアレコレ橋のボナパルト(アントーワーヌ・ジャン・グロ)や戴冠式のナポレオンの肖像(アンヌ・ルイ・ジロデ・ド・ルシー)の絵画などで印象付いている人が多いと思いますが、デスマスクは実際に死後、石膏で型取りしたものなので、作品を鑑賞すると言うより、直接ナポレオン本人に対面できる感覚ではないでしょうか。
このデスマスクは1821年5月5日セントヘレナ島で亡くなったナポレオンからイギリス人主治医バートンが石膏で作成しました。
その後同じく主治医であったイタリア人アントンマルキによりブロンズ製と石膏の複製を限定販売しました。
今回のルーヴル展で公開されるのは石膏のものですが、当館ではブロンズ製のナポレオン1世のデスマスクを常設展示しております。
また、時の権力者として名高いフランス王妃マリー・アントワネットの胸像(ルイ・シモン・ボアゾ)も公開されます。
当時の貴族女性は、相手が驚くような革新的なヘアスタイルを競っていました。ヨーロッパのファッションリーダー的存在であったアントワネットは髪型も専属のファッションデザイナーをつけ、飾りも草木をつけた「庭ヘアー」や船の模型をのせた「船盛りヘアー」などで人々の目を惹きつけました。
今回公開される作品の髪型も一つのみどころです。高く上げた髪はフランス王家のユリの紋章のついたリボンで飾られ、王妃の身分と権威を示しています。数奇な運命をたどった彼女をこの彫刻から読み取るのも楽しみかもしれません。
当館にはマリー・アントワネットの胸像はありませんが、レリーフを展示しております。
その他、ハンムラビ法典によって都市文明を確立したハンムラビ王の頭部も公開されます。
大阪は市立博物館にて9月22日より開催されます。
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