人の姿になったブッダ
仏教徒がブッダ(釈迦)を人間の姿で描き始めたのは、西暦150年頃だった。
それまでブッダは、足跡(仏足石)、彼が瞑想した菩提樹、およびその教え、つまり「法の輪を回すこと」の象徴である法輪などのシンボルで表現されていた。
ブッダは神ではないので、神として崇拝されることはないが、彼の徳の高さと偉大さとを如実に示す身体的特徴が当時注目された。このような仏像はそうした特徴を表すために使われた。
例えば、ブッダの長く伸びた耳たぶは富と経済的権力を拒絶したことのしるしである。かれは王家に生まれ、慣習どおり重い耳飾りをつけいたため耳たぶが伸びたが、出家して高度な知識と悟りを求めたときに飾りを外した。足を組んだ蓮華座の姿勢は、彼が瞑想中であることを示している。
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