二条城を訪れて ― 世界遺産に息づく日本の美と精神 ―

先日、京都の二条城を訪れました。
徳川家康が将軍就任の祝賀のために築かせた城として知られ、江戸幕府の始まりと終焉、
まさに日本の歴史の転換点を見届けてきた場所です。
現在は世界遺産にも登録され、その文化的価値は国内外から高く評価されています。
城内に足を踏み入れると、まず目を奪われるのは豪華絢爛な障壁画の数々。
金箔に輝く松や桜、虎や鶴などの絵が、将軍の権威を象徴するように壁いっぱいに描かれています。
それらは単なる装飾ではなく、「力」と「調和」を両立させた日本独自の美の表現。
私はそこに、ルーブル美術館に見られる西洋彫刻の“理想美”と共通する、
人間が美を通して秩序を求める心を感じました。

驚いたのは、来場者の約9割が外国からの観光客だということです。
世界中の人々がこの場所を訪れ、日本の伝統建築や美術に感嘆していました。
日本の文化が国境を越えて人々の心を動かしている様子を目の当たりにし、
改めて「美の力」は普遍であると感じました。



ルーブル彫刻美術館もまた、「世界の美」を日本の地で体感できる場所として、
訪れる方々に感動を届けていきたい――
二条城の静謐な庭園を歩きながら、そんな思いを新たにいたしました。

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