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作品には触れるの?

「作品には触れるの?」こんな質問をよくされます。

10数年前、目の不自由な方たちが年に一度集まり、イチロー選手のユニフォームや小錦のTシャツなど、手に触れて喜んでもらおうと言う催しが愛知県であり、当館が縮小サイズのミロのビーナスを寄付させていただきました。
想像以上に喜ばれている様子を拝見していると、この方々はむしろ健常者よりも感受性が高いのではないかと感じました。

本来、美術館、博物館では作品に触れるどころか、撮影禁止のところも多く、目の不自由な方にとっては当時美術館に行く理由がなかったのです。

そこで、ショーケースなどに入っている作品を一部取り出し、後日目の不自由な方を招待し、触って頂いたところ、非常に感動していただけました。
美術館のコンセプトが、「フランスに行けない方でも、身近にフランス芸術を」でしたので、むしろこの方々にもっと、彫刻の素晴らしさを味わってもらいたいという気持ちが芽生え、石膏の作品を触れるようブロンズ製に作り替えました。

その流れから、いつしか誰でも作品を触れる美術館と広まりましたが、今では、事前にご予約頂いた目の不自由な方、限定とさせて頂いております。
ブロンズ作品は非常に重く、不安定ものもあり、危険なものもありますので、何卒ご理解くださいませ。

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