サンダルの紐を解くニケ

有翼の勝利の女神ニケは、アテネ女神に従うもので、しばしば女神に付き添うか、あるいはその手に乗っているが定説です。

この像はアクロポリス南西の堡塁の上に巡らされた欄干のフリーズの一部です。その長いフリーズには、勝利のシンボルを積み上げたり、獣を引いたりするニケの様々な像が描かれています。

サンダルを脱ぐ無防備な姿のニケを捉えたこの断片は、ギリシア人が神々を人間のように不完全で、欠点の愚かさを持つものとして見ていたことをうかがわせます。

また、彫刻家はこのニケの動作を利用して、腕から曲げた足の上にかかる薄い衣のひだを強調しています。

アテネ・アクロポリス出土　　　高さ101㎝
アクロポリス美術館所蔵